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2008年10月19日 (日)

10月大歌舞伎鑑賞!!

 
10月大歌舞伎を鑑賞しに、歌舞伎座へ行ってきました!
 
 
一番のお目当ては、坂東玉三郎さんが、歌舞伎赤姫物三姫の一人、八重垣姫(やえがきひめ)を演じられる
 
「本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)」
 
〜謙信館十種香の場 
〜奥庭狐火の場
 
 
上杉謙信の娘、八重垣姫は、宿敵武田信玄の嫡子、勝頼と、両家の和睦のために許婚となる。
 
しかし、恋焦がれていた勝頼は後に、両家のいざこざの責任を果たすため切腹。
 
しかし切腹したのは影武者であり、勝頼自信は和解の鍵になる諏訪法性(ほっしょう)の兜を盗みだすべく、庭師として謙信館に潜入。
 
八重垣姫は庭師の正体を勝頼と見抜き、彼との恋を成就させるも、また彼の正体に気付いていた謙信の策略により、勝頼は使いに出される事になる。
 
道すがらには、暗殺者が待ち受けている。(十種香)
 
父の話を聞いた八重垣姫。
勝頼を助けるには、氷が張って船も渡れない湖を抜け、先回りして勝頼に知らせるしかない。
 
かくして八重垣姫は、勝頼の命を助けるべく、狐の神力を賜った「諏訪法性(ほっしょう)の兜」を携えて、兜に宿った狐に乗り移られた形で、氷の張った湖を駆け渡っていく…
 
 
といった内容のお話です。
 
以前に奥庭狐火の場をお勉強させていただきました。
 
出来ることなら今一度お勉強したい作品です。
 
少しでも何かを感じ取りたくて、食い入るように見させていただきました。
 
 
坂東玉三郎さんは、女形の役者さんの中でも別格と歌われる方で、私も大尊敬しています。
 
 
 
廿四孝を初めて拝見して、頭が痺れるような衝撃を受けました。
 
 
別格などという言葉ではくくれない、「坂東玉三郎」という芸術なのだと思いました。
 
品格の備わった優美な所作は、体の軸を泉が沸き出で続けているような、しなやかで芯のある清らかさ。
 
後ろ姿だけで感じる色香、品、恋に悩める姫の心持ち。
 
驚き、恥じらい、泣き、凄む姿も姫としての品格を失わず、華々しく見事で…
 
 
玉三郎さんは、様式美を重んじる方というイメージが強かったのですが、それ以上に内側に燃える思いが強く伝わってくることに驚きました。
 
芸の口伝の「静中の動」という言葉のとおり、様式美の中に煮えたぎった思いの丈が感じられるのです。
 
それを押さえることで滲み出る凄みある芝居に息が詰まるほど切なくなったり、緊迫したりと、その世界観に取り込まれてしまいました。
 
勝頼に知らせに行きたいのに、湖に氷が張って知らせられない歯痒さを唄った
 
「ええ、翼が欲しい、羽が欲しい、飛んで行きたい、しらせたい」
 
というフレーズは余りにも有名で、様式の中の様式であると思っていたのですが、それも、玉三郎さんの扮する八重垣姫の体を通して絞り出された瞬間、切なく涙を誘う血肉と魂の籠もった台詞になってしまいました。
 
 
台詞を言う、活字を人間の言葉にするというのは、こういう事なのか…と、その表現に圧倒されました。
 
 
 
感情は目一杯。 
 
しかし、感情のみに左右されない様式美。
 
 
かと思えば、ギリギリの線でリアリティーを含んだ、様式美とリアリティーのすり合わさった手やセリフがあったり…
 
 
そうした絶妙な芸の数々が観客を引き込み、時には大きく裏切りながら流れるように繰り出されて、見終わる頃には知らずに飲み込まれ、どっぷり浸かってしまって…
 
 
 
掴みようのない美しさでした。
 
 
 
玉三郎さんにしか見えない美の境地を垣間見せていただいた心持ちがします。
 
 
オンリーワンの、常に上を目指して戦い続けている役者さんなのだと思いました。
 
 
生の舞台に受ける衝撃は、いつも自分を奮い立たせてくれます。
 
 
今日受けた衝撃から新たな何かを生めるように頑張りたいと思います!!
 
 
目指すは、オンリーワンの表現です!!

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